第14章 Choice
…?なんだ?
後ろから覗き見ると、その紙にはびっしりと癖のある筆記体の文字が並んでいる
英語…だろうか…?
俺は大して頭良くないし、、、全く読めない…
俺も千冬も八戒も、訳がわからず3人で顔を見合わせる
と、三ツ谷くんが口を開いた
「?これは…?」
三ツ谷くんはそれらをチラリと一瞥しただけで、大寿に視線を戻すとそう疑問を口にする
未だに大寿の笑みが崩れる事はない
「その字に見覚えがあるんじゃねえか?三ツ谷」
「…!!?」
大寿に改めてそう言われ、再び目の前の紙に視線を落とす
…しばらくすると、三ツ谷くんは目を見開きいてバッと顔を上げた
「…やはりそうか…」
大寿の笑みが深まると同時に、三ツ谷くんの息を飲む音が聞こえた
「…高宮伊織」
「っ!」
「東卍の脳、あの女がそれだったはなぁ…」
「テメェ…アイツに何をした…!?」
「!!」
三ツ谷くんがそう声を荒げる
…どういうことだ…?
血のハロウィンであれだけのことをやった伊織さんを大寿が知っているのは不思議じゃない
…でも…大寿の口ぶりとその紙……伊織さんと大寿はハロウィン以前に面識があったってことか…!?
ドクドクと音を立てる心臓
手のひらに嫌な汗をかく
「別に。ただの取り引きだ。俺とあの女個人での、な。」
「取り引きだと?」
「何、俺はその間はあの女が東卍と関係があるなんざ知らなかった。
知ってたら今頃あの女は生きてねえよ。
まぁ…マイキーの女ならあの肝の据わり方も納得だ」
取り引き…?
東卍や黒龍関係なしに?
個人的な?
予期しなかった言葉の数々があなたの中をぐるぐると駆け巡る
…今まで、伊織さんが何を考えているかなんてわかった試しは一度もない
けど…今回のはこれまで以上だ
敵のトップと無断で密会紛いなことをするなんて…
本気であの人は一体何を考えてる…?
あの人の狙いはなんだ…?