第14章 Choice
「巻き込んで悪かったな、タケミっち」
「え?」
「コイツらのボスは柴大寿」
「柴って…!」
「そう、大寿はアタシらの兄貴」
「俺たちは三兄弟なんだ」
嘘だろ…!?
八戒の兄貴が黒龍の総長…!!?
え…ってことは…
「兄貴はどこだ?」
「コンビニ」
「…ロクに帰ってきもしないくせにこんな時だけ…
邪魔くせえ…」
「…」
「オイ…調子乗ってんじゃねえぞ?テメェ…
ボス舐めてんならオレが殺す」
!コイツも…未来にいた…!!
左目付近の火傷の痕…間違いない…!!!
八戒の首筋にナイフを当てる奴
…ココって呼ばれてた奴も相当だけど…コイツはそれ以上にヤバい…!!
「穏やかじゃねぇなぁ」
「殺れねぇと思ってんの?」
「あ…ちょ…!」
ドゴッ!!─カラン
「えっ!?」
視界から黒龍の火傷野郎が消えた
…一体何が…
「…弟に手ェ出すんじゃねぇよ」
柚葉…!!?
「…」
柚葉がそう言いながら火傷野郎を睨みつける
…ソイツはかなりの蹴りを食らったにも関わらず、なんでもなかったように立ち上がり、再び刃物を手に取った
「…もう辞めとけイヌピー
ボスの弟妹だ。」
「オレはボスには忠誠は誓ってっけどコイツらに調子こかれる筋合いはねえぞ。
どっちが上か教えてやる。
…女だとかは関係ねえ…!!!」
「っ!」
その言葉を聞いた瞬間、反射的にヒナを背中に庇う
…ヒナだけは巻き込む訳にいかない…!!
「テメェら全員殺してやる…!」
…まるで本気で人を殺しそうな視線に思わず息を呑む
コイツら、本気で狂ってやがる
東卍とは根本的に違う…
「花垣、ここは私達に任せて逃げな!
ヒナちゃんを守れよ!!」
「!」
柚葉はそれだけ言って再び前を見据えると、それから振り返る素振りは見せない
…俺は…
「…ヒナ、行こう!」
「タケミチくん!!後ろ!!!」
「え?」
ドゴン!!!
「っ!!!ガハッ!ガッ…!!!!」
何が…っ、息が……!!!
「ドー…はド突くのドォォォ!!!!」