第13章 Result
「どうだ?場地」
たかちゃんがキュッとゴムで髪を縛ると、圭くんは感覚を確かめるように首を振る
そしてパァッと顔を綻ばせると、くるりとたかちゃんの方に顔を向けた
「いいな!コレ!!
邪魔じゃねえ!!」
「それなら良かった」
「場地さんカッケーッス!!」
『本当、よく似合ってる。
とりあえず結べるまではそれで良さそうね』
「オウ!」
「んじゃ千冬、もっかいやるから見とけよ。」
「ッス!!」
千冬くんはたかちゃんから結び方を教わる
その眼差しはいつになく真剣で、メモまで取ってる姿に思わず笑みが溢れる
本当に大好きなんだなぁ…
「…で、完成。」
「なるほど…」
「ほら、一回やってみろよ。」
「ッス…場地さん!痛かったら言ってくださいね!!」
「頼むぞ!千冬ぅ」
「はい!」
千冬くんはゆっくりと圭くんの髪に手を伸ばす
横からたかちゃんに見つめられ、圭くんは万次郎とけんちゃんと話す
千冬くんだけが真剣で、思わず微笑ましくて顔が緩んでしまう
「…っと、どうっすか?」
「千冬お前…」
『凄い綺麗…しかもなんかオシャレ…』
「本当ッスか!」
「なんか隠れた才能だな」
千冬くんが結んだ圭くんの髪、たかちゃんが結んだ時よりもトップが少しふんわりしていたり、お団子の位置や緩め方も工夫されていた
圭くんの色気がさらに増してる…
「ん?見えねーからわかんねぇけど…髪は全然邪魔じゃねーよ!
千冬ありがとナ!」
「はい!」
「これから頼むわ」
「良かったな〜場地」
「おう!」
圭くんはニカリと笑うと、満足げに千冬くんの頭をガシガシと撫でる
千冬くんは嬉しそうに目を瞑って圭くんの近くに座った
「んじゃ、そろそろ帰るか〜」
「そうだな、明日も学校あるし」
『じゃあまたね!みんな!!』
「じゃあな〜」
私たちはそう言って各々解散して帰路についた
私は万次郎の後ろに座って彼に捕まり、しばらくこの温もりともお別れだな、と、寂しさに胸を焦がした