第13章 Result
『そして!隊長代理を指名するのは壱番隊副隊長!松野千冬!!!前に!!』
「はい!」
ザッ…ザッ…ザッ…
千冬がゆっくりと前へと進み出て、伊織さんと場地くんの前に立つ
振り返って顔を上げると、壱番隊副隊長としての顔つきの千冬が堂々とした立ち姿で俺たちを見下ろしていた
「…この提案を受けた時、すぐに俺が場地さんの後を継ぐと言えなかったことが悔しくて情けなくて仕方がなかった。
でもやっぱり、俺には隊長という名前が重くてダメだと思った。」
千冬…
…お前が一番辛いよな…尊敬してた人がこんな風になって…
「だけど!そんな俺に伊織さんと場地さんは【引っ張ることができるのは、その後ろでそれを支えてくれる人がいるからだ】
【その役目が無くては上は成り立たない。お前にはその力がある】
そう言ってくれた!
それで気づくことができた!!敢えて伊織さんが俺に継げと言うのでは無くこの提案をしたのは!俺はソイツを支えるべき人間だと評価してくれたからだと!!!」
『…』
「ふ、」
伊織さんと場地くんが千冬の後ろで笑みを浮かべる
まるでそれは教え子が成長していく過程を見守る先生のよう
「だから俺は!この2人の言葉を信じ!隊長代理を俺の全てで支える!!
テメェの支える相手は!テメェで指名する!!!
花垣武道!!!」
「えっ!?」
「俺はお前を!壱番隊隊長代理に指名する!!!」
お前…何言って……
「タケミっち、これは俺と場地さんが決め、伊織さんと総長が認めたことだ!
俺たちの意思を理解し、俺たちの隊を背負って立てる人間はお前しかいないと考えてる!!」
「…」
「花垣武道!顔あげてみんなに挨拶しろ!!」