第3章 Contact
やっと全ての授業が終わった。
数学なんか爆睡してしまっていた。
…中学数学ってあんなに簡単だったっけ?
「伊織〜行こ!」
『あ、万次郎!!
行く!!!』
万次郎とけんちゃんがクラスにやってきた。
みんなは彼らに道を開け、恐れと少しの羨望の眼差しを彼らに向ける。
「どうだった?授業。
俺らほとんど受けてないけど。」
『うーん、退屈だった。』
「?珍しいな。いつも集中しまくってるお前が。」
『なんか飽きちゃって。』
「ふーん。ま、いいや!どら焼き買いに行こ!」
『あれ?喧嘩賭博は?』
「それはどら焼きのあと!
最優先はどら焼き!!」
「はぁ…あ、そういや駅前にうまい和菓子屋できたってエマ言ってたぞ。」
「!じゃあそこ行こ!!」
『え、わっ!』
私は万次郎に手を引かれるまま走り出し、けんちゃんは呆れた様にそれを追いかけてきた。
嗚呼、幸せだなぁ。