第12章 Hospitalization
見覚えのある金髪の子を進路の先に見つける
あれ、タケミっちじゃない?
それに隣にいるのは…ヒナちゃん?
「ドラケンくんと伊織さんがかわいそう!」
「あ?」
『私たち?』
ヒナちゃんのそんな言葉が聞こえて、けんちゃんと2人で顔を見合わせる
…?
何のこと?
とりあえず彼らの元に足を運ぶと、わかりやすいくらいタケミっちが動揺して半泣きになりながら私たちを見ていた
「誰がかわいそうだって?」
『何のこと?』
そう言うと、タケミっちはあーだこーだと訳の分からないことを繰り返す
…?何が言いたいのかな…
あ、家行っても居ないからどうしようかと思えば…こんなところに居たんだ
「エマに…」
『万次郎』
「っ、」
「ドラケン!?伊織!?」
エマは驚いてそう声を上げ、万次郎はバツが悪そうな顔をして視線を晒す
2人の前のテーブルには生クリームたっぷりのパンケーキ
…あー…なるほど…
「プッ」
『ふふっ』
「お前、妹の誕生日付き合ってんの?マイキー」
『たかちゃんも万次郎も、妹には頭上がらないのね
いいお兄ちゃんじゃない』
「うっせぇな…」
「へ?…妹?」
何故か地面に這いつくばって泣いているタケミっちがそう呟く
何やってんだこの人
中身26のくせに…
「あれ?知らなかったっけ?タケミっち
マイキーとエマは兄妹なんだ。母ちゃん違うけど」
『所謂異母兄妹ってやつね』
「「えええぇ!!?」」
「た、確かにどことなく似てるような…」
「そうか?」
「あれ?でもヒナには前言ったような…」【112頁参照】
「え?
…ヒナ…そして山岸くん…???」
「姉ちゃん普通に忘れてたな…」
一体何を勘違いしたんだか…
みんなは安心したようにそれぞれ声を上げる
へぇ、姉ちゃんってことは…あの子、この時代のナオトさんか
この頃から真面目そうな顔つきしてるなぁ…