第12章 Hospitalization
「じゃあ俺とエマ帰るわ」
「ウチも買い物行かないと!」
『うん、気をつけてね。』
「伊織も!なんかあったらまた言ってね!
すぐ行くから!」
『ありがとう、エマ』
「昼飯ごちそーさま。
お大事にな」
『けんちゃんも色々ありがとう。
またね』
「おう」
パタン
けんちゃんとエマが帰ってから、ウチには私と万次郎が残る
万次郎が病院とかで言ってたけど、万次郎がウチに来るのは本当に久しぶり
しかも2人なんていつぶりだろう
「伊織〜」
『ん?』
「ちょっと来て」
『なに?』
「いいから」
『…』
どうしたんだろう
さっきまでの表情と違って、真剣な顔つき
…笑ってない
万次郎に呼ばれるまま、彼の前に行く
と、徐に私の右手を掴んだ
『えっと…万次郎?どうしたの?』
「なぁ」
『ん?』
「俺まだハロウィンの日のこと、お前と話してないよな」
『ええ…まぁ、、、』
「待ってたんだ。
お前が退院して2人になれるの。
あそこには場地もいたし…俺が何か言いたいか、わかるか?」
『…』
万次郎は私の手を握る力を少し強めて私の目をじっと見つめる
その目はいつもの瞳と色が違って、すぐにその感情は読み取れた
…怒ってる
「何故黙って来た。
俺、前に言ったよな。抗争には2度と出るなって。
一虎のためなのは分かったけど…」
『…』
「結果良ければ全て良いとは俺は思わねえ。
わかってるのか?自分がどれほど危ねぇことしてたのか…」
『…』
喧嘩の場には出ない
万次郎と約束してた
私もそれはわかってる
…万次郎が怒るってのもわかってた
…わかってたからこそ…何も言えない
彼の怒りは正当、悪いのは約束を破った私だから…
『…ごめんなさい』
「…」
『わかってた。全部、、、万次郎がきっと怒るだろうなってことも…』
「…」
『…だから、、、これ以上は何も言えない』
「…」
『ごめんね、』
「っ、」
私がそう言うと、万次郎は顔を歪めた