第12章 Hospitalization
卵をボウルに割り入れ、牛乳を少し加えてフライパンにバターを落とす
用意しておいた濡れ布巾にフライパンを置いて熱を覚ます
よし、頑張ろう!
じゅわぁぁあ
カッカッカッ!
「おお!」
「すげ」
「美味しそう!!」
フライパンを前後に動かしながら箸で全体を混ぜる
良い感じの硬さになったらオムレツ型に整えて、チキンライスを乗せたお皿を右手に持つ
『いくよ〜』
「うんうん!!」
『よっ!』
ふわりと
卵がチキンライスの上に乗る
冷めないうちに傍に置いていたナイフで真ん中に切り込みを入れると、自身の重さで卵は勝手に花開く
よかった、上手にできた
『けんちゃん、旗借して?』
「おう!」
けんちゃんから旗を受け取って真ん中に刺す
『はい、万次郎出来たよ。』
「わぁ!!ふわふわオムライス!!!」
「マイキー、それタンポポオムライスって言うんだよ!」
「伊織すげぇな…」
『へへ、ありがとう。
次は…』
「次はエマの作ってやれよ。俺最後でいいから」
『了解』
「楽しみ!!」
タンポポオムライスはやったしな〜
違う方がやっぱ面白いし…
あ、決めた
『♪〜』
ジュー
「ふふ、いつも自分で作ってるから新鮮!」
『確かに、エマいつも頑張ってるもんね。
私も人に作るの久々だから嬉しい!』
万次郎の時とは違って少しだけかき混ぜたらあとはある程度固める
目の前でけんちゃんとエマが首を傾げてるのが見える
ふふ、上手にできるかな
菜箸で上下を摘んで、ぐるりと手首を返す
「!」
そのままゆっくりとご飯の上に乗せると、綺麗なヒダがついた卵
『完成!ドレス・ド・オムライス!!』
「凄い!ウチ初めて見た!!!」
「本当にドレスみたいだな」
「すっげ…」
『はい、エマどうぞ!』
「ありがとう!!」
エマは私からお皿を受け取るとルンルンでテーブルまで運ぶ
次はけんちゃんのだな