第12章 Hospitalization

その言葉は静かな部屋の中の空気をしっかりと震わせ、私の鼓膜を揺らした












「…考えてたんだ。ずっと。」

『…』

「芭流芭覇に行った時から、抜ける覚悟はしてた。
失敗したら戻れないってわかってた。
…それでも…どんなに可能性が低くても、一虎を諦めるなんてできなかった。
一虎と一緒に東卍に帰りたかった。」

『うん』

「…そして何より、稀咲が参番隊隊長なのは絶対に認めねえ。」

『？』














圭くんがカズくんと東卍のために稀咲を排除しようとしてるのは知ってた

1人で敵の中に乗り込んでまでそれを果たそうとしていたことも


…でも、参番隊隊長を認めないって…急にどう言うこと？

繋がりが見えない…















「…参番隊隊長はパーだけだ。
アイツは捕まってても東卍のメンバーだろ？
…それだけは譲れねぇんだよ。」

『！』

「…抗争の時、お前のことも傷つけたけど、一虎は東卍に戻れた。
稀咲の方も失敗したけど…必ず次はミスらねぇ。
絶対俺がアイツを潰す…」

『圭くん…』

「…って、思ってたんだけどなぁ…」











圭くんはカラリと笑って天を仰ぐ












「俺はもうアイツを引き摺り下ろすだけの力がねぇ。
だからって諦める訳じゃねぇけど…少なくとも暴走族の隊長名乗るのはもう無理だ。
明日、マイキーにも話すつもりだ。」















…前の幹部会でも圭くんは言ってた



参番隊隊長は認めない



それはパーちゃんが戻ってくるのを待つつもりだったからなんだ

パーちゃんの居場所を残しておきたかったんだ

…やっぱり圭くんは誰より東卍をわかってる

誰より東卍のことを想ってる



でも…いや、だからこそ…

















『…辞めなくても…いいんじゃないかな、』

「あ？」

『…喧嘩できないのはさ、私もだよ？
タケミっちだってすごく弱い。』

「…」

『圭くんは、そんな私たちを東卍から出したいと思う？』

「思わねぇ！それは…そんなこと、一回も思ったことねぇよ
けど、、、それはお前たちは喧嘩の腕を武器にしてねえからだろ…？
俺はお前みたいに頭良くないし、馬鹿だし…喧嘩しか取り柄ないから…」




圭くんは段々と小さな声になりながらそういう