第3章 Contact
ピピピピーピピピピーピピ[がちゃ]
『…いや、うるさ。』
私の目覚ましこんなに爆音だったっけ?
救命医になってからは夜勤とかもあるし、普通に仮眠中に起こされたりもするから、結構寝は浅くなっていた。
そのため少しの物音でも起きるし、リズムさえできていれば目覚ましもいらない。
『ふぁ…!』
カーテンを開けて背伸びをする。
セーラー服に袖を通して、ご飯を食べて身支度を整える。
最後に髪を梳かして上の方で纏め、万次郎用に置いてある櫛とヘアゴムを持ってカバンに入れる。
案外ルーティーンって覚えてるもんだなぁ。
ブロロロロロロー
『あ、けんちゃんだ。』
ガチャ
『おはようけんちゃん!』
「ああ。…ほら」
『ありがと。
今日もお願いします!』
けんちゃんから投げられたヘルメットを受け取って頭に被る。
けんちゃんは首に掛けてるだけって、、、、意味ないじゃん。
「ん…って、お前、なんで今日はジャージ穿いてねぇんだよ。」
『え?』
「バイクのケツ乗るのにスカートはねぇだろ。
パンツ丸見えだぞ。」
『は!』
「昨日といい今日といい…寝ぼけてんのか?
時間まだあるし、待っててやるから着替えて来い。」
『うん!』
そうだった!
バイクの後ろに乗るのなんて久々すぎて忘れてた!!
私は急いでジャージの長ズボンを下に穿いて再び玄関に出る。
『ごめんお待たせ!!』
「よし。
じゃあ行くぞ。…ちゃんと捕まってろよ。」
『うん!』
ブロロロ!
っ!速い!!
風強い!!
怖い!!!!!
昔はこれが平気だったのが信じられない。
若さって、怖いもの知らずって、、、本当に怖い。
そんなことを考えながらけんちゃんにぎゅっと捕まる。
朝のこの時間しか見れない、髪を結ってないけんちゃん。
米神の龍は見えなくて、サラサラの金髪が風にたなびく。
レアなけんちゃんを独り占めできるこの時間も好きだったなぁ。