第11章 Bloody Halloween
パッ
「っ!」
手術中のランプが消える
その場の全員が立ち上がり、ふらふらと扉の前に立つ
ウィーン
スタスタスタ
医者が2人、歩いてくる
俺たちは誰も声を発することなく、2人の言葉を待つ
「…お2人とも、ご無事です。
オペは無事終わりましたよ。」
「っ!!!
よかった…!!やった!!!!」
「っ!よかった…っ、」
「ただ…」
命が無事であることに歓喜し、涙を流しながら声を上げるが、医者のこの言葉に俺たちは息を呑んだ
「…男性の方の方は…今まで通りとはいかないかもしれません」
「女性の方の方は再発の危険があります。」
「…え、」
喜んで握りしめた拳の力が抜ける
ダラリと垂れた手が冷たくなっていく
…どういうこと、だ
「…男性の方は後遺症、とまではいきませんが…今までのような激しい動きが出来なくなるかもしれません。
おそらく日常生活への支障はありません。
まだ意識が戻ってからしか確実なことは言えませんが…」
「女性の方は気胸を起こしていました。
現場で適切な処置が行われて大事には至りませんでしたが、気胸は再発のリスクのあるものです。
…定期的な検査等が必要にはなりますが、日常生活には支障はないと思われます。」
その場の空気の温度が下がる
誰も口を開こうとしない