第11章 Bloody Halloween
フードから溢れた黒髪がふわりと宙に舞い、その場の時間が止まったように全員の視線が彼女に集まる
マイキーくんも一虎くんも、伊織さんから目が離せない
『…もう、これ以上は……』
「なんで…ここに……」
「伊織…?」
伊織さんの大きくて宝石のように真っ黒な瞳からボロボロと涙が溢れる
マイキーくんは本物か確かめるかのように伊織さんの頬を伝った涙を血のついた手で拭う
「マイキー!!!!」
「っ!」
『!!』
頭上から、声が響いた
場地くん…!まだ生きてた!!
立ってる…!
マイキーくんも場地さんの姿を見て、一虎くんの上から退く
「俺のために怒ってくれて、ありがとう、な!」
「場地…」
「動いちゃダメだ!場地さん!!」
『圭くん!』
場地くんは千冬の肩を一度軽くたたくと、自分の足で下まで降りてくる
「場地…」
『もういいから、動かないで、、』
「ハハッ、そんな顔すんなよ2人とも!」
『圭くんお願い…!言うこと聞いて…』
震える声でそう言いながら彼に伸ばした伊織さんの手をやんわりと下げさせると、場地くんは伊織さんとマイキーくんの隣を通り過ぎて一虎くんの隣まで歩いて行った
「俺は…死なねえよ、
こんな傷じゃ、俺は、死なねえ!」
嘘だ…絶対、致命傷なはずだ…!!
「気にすんなや、一虎…
俺はお前には、やられねぇよ」
場地くんがポケットから何かを取り出し、それを振り上げた
「ふっ!!」
グサッ!!!
ブシャッ!!!!
「!!!」
「あぁっ!」
赤い飛沫が、地面を染めた