第11章 Bloody Halloween
「あ?」
「やんのかコラ!」
いやいやいや待て待て待て!!
目の前の敵!?底辺の俺が…!!!?
本物の不良と喧嘩!?
無理だ!!怖ぇ!!!!!ちびるぞ!!!
目の前の体もデカくて顔も厳つい敵に既に脚がすくむ
怖くて本能のまま、数歩後ろに下がる、と、背中に何かが触れて俺の足は止まった
「ビビってんのか?」
「は…」
その声…
「正面の敵だけ見てろ。相棒。」
「千冬…」
「背中は俺が守ってやらぁ!
…喧嘩にビビんねぇやつなんていねぇよ。」
千冬はそう言いながら向かってくる敵を薙ぎ倒す
…強ぇ
と、振り返って俺に笑いかけた
「大事なのはさ、どう向き合うかだ!!!」
どう、向き合うか…
火に包まれる中、死ぬのがわかって笑顔を向けたヒナ
死ぬのが怖くないわけなかったのに、笑ってみせたヒナ
あの映像が瞼の裏に浮かぶ
「オラァ!」
「タァァァァァ!!!!」
ボゴッ!!
こんなんでビビってられるか!!
俺は!ヒナを助けるんだ!!!
「やってやるぞ!この野郎!!!!」
ボゴッ!ードッ!!
「痛ぇ!」
殴られた所だけじゃない
殴った拳も同じくらい痛い…!
でも!
やらなきゃ…!
ここを乗り越えなきゃ…!!!
最悪の未来を変えないと…!!