第10章 Betrayal
「…そういやタケミっち、芭流覇羅のアジトで何聞かれた?
場地が向こうにいる以上、多少の情報漏洩は仕方ないとして、、、お前がいる間に流れた情報だけでも把握しときたい。」
「あ、俺が居る時はマイキーくんのお兄さんの話くらいしか、、、」
俺ほとんど話してないからな…
ずっと話聞いてた気がするし、、、
…あ、そういえば最後に…
「最後に半間が伊織さんのこと聞いてきました。」
「っ!なんて答えた…!!」
「あ、いや、、向こうは伊織さんの名前も知らない感じだったし、場地くんがすぐ遮ったので俺は何も言ってないッス」
「…場地はなんて?」
「えっと確か、「マイキーの女かどうかは知らないけど、やたらマイキーに付いて回る女はいる。東卍の脳ってやつは知らねー」って」
「…一虎はなんも言わなかったのか?」
「一虎くんは「年少にいたから知らない」って言ってました」
「…そうか。」
「…」
難しそうな顔をしてマイキーくんとドラケンくんは目を合わせる
…どう言うことだ
…それにしても伊織さん、遅いな
「伊織さん、遅いっスね…
花手向けるだけだって言ってたのに…」
「…色々話したいことあるんだろ。」
「俺らがいたら…というか、俺が居たら中々手も合わせにくいだろうからな…」
「マイキーくんがいたらやりにくいって、、、どういうことスか?」
「…兄貴は、、、兄貴は、伊織の初恋相手なんだ。」
「えっ!?」
「…」
「…伊織のことは俺らが送るから…お前らは先に帰れ」
「ぁ、」
「いいから。もう行け」
「ッス」
伊織さんの初恋って…
マイキーくんのお兄さんのことが好きだったってこと、だよな…
…つまりそれって、好きな人を一虎くんに殺されたってことに、、、
っ!じゃあ伊織さんもマイキーくんと同じように、マイキーくんのお兄さんを殺した一虎くんのことをまだ許せてないってことか…?
だから場地くんが東卍を抜けたの止めなかったのか?
…伊織さんは一虎くんのことを今、どう思っているんだろう