第9章 Check
『死刑囚って、、、ぇ?、どういうこと…?』
「…殺人の罪で捕まって、それで、、、」
『…けんちゃん、殺、されるの…?』
「…」
けんちゃんが死ぬ…
死刑…?
その言葉が頭の中をぐるぐると回る
…タケミっちと千冬くんが何か声を荒げながら言い合っていたが、何も耳に入らなかった
「だから…!なんで人を殺したかなんて俺にはわかんねえって言ってんだろ!!」
「でも!ドラケンくんが人殺しなんてありえない!!!」
「んなことテメェなんかに言われなくたって分かってる!
俺の方が何倍も、伊織さんの方が何百倍も分かってる!!!
大してドラケンくん達のこと知りもしねぇくせにでしゃばってくんじゃねぇ!!!」
「お二人とも落ち着いてください!!」
人を殺した…?
…いや、今はそんなことどうでもいい
けんちゃんが、殺される…?
『…ゃだ』
「伊織さん?」
『嫌だ!!けんちゃんが死ぬなんて…そんなの、絶対に嫌だ!!!
だって…だってけんちゃんは…!』
けんちゃんは私たちの心
けんちゃんは私の大切な人
いなくてはならない人
絶対に必要な人
今度あなたがいなくなったら、私はもう二度と前を向けない
もう二度と、立ち直れない