第7章 Incident
タケミっちの勝ちだ…!!
彼は満足げに空を見上げて肩を上下させる
「気ぃ済んだ?」
「キヨマサダッサ!」
「良い冥土の土産ができたじゃん」
残りの4人が刃物をチラつかせながら私たちを見下ろす
…ここまでだな
「ヒナ、エマちゃんと伊織さんと逃げて」
「タケミチくん…」
「オレらだけならなんとかなるから!」
「頼む!」
「…うん!」
「伊織、行くよ」
『…いや、、、2人で行きなさい』
「え」
私がそう言うと、エマは驚いたように目を見開いて動かない
タケミっちも私の方を見て大きく目を見開いている
「ハァ、ハァ、何、、言ってやがる…
お前もエマたちと、一緒に行け」
『嫌よ
けんちゃん黙ってて』
「伊織さん!オレら大丈夫ですから!!」
ああもう
みんなうるさいな
『エマ!!!』
「!」
『ヒナ連れて逃げなさい!!
早く!!!』
「っ!!!
…ヒナ、行くよ」
「え!?でも…」
「いいから!」
エマは泣きながらヒナちゃんの手を引くと、彼女を引っ張って走って行った
「ハァ、伊織テメェ…」
『指一本で倒れそうな2人が何言ってんの
馬鹿じゃないの?』
「伊織さんなんで…!」
なんでって…
なんでもクソもないでしょう
ここに残していったら、けんちゃんは100%死ぬ
「あれあれ?女が1人残ってんなぁ〜?」
「マイキーお相手の女だ!
俺らもゆっくり味わってから殺してやるよ♡」
「一緒に逃げればよかったものを」
「あの世でせいぜい悔や
ドッ!!!
『…まあ本当によく喋るわね。雑魚が』
「え?」
カラン
男の手に持っていたナイフが床に落ちる音が辺りに響いた