第7章 Incident
結局、武蔵祭りの前日も手がかりは何も掴めなくて、今日を迎えてしまった
武蔵祭り当日
勝負の1日が幕を開けた
もうペーくんを見つけても止めることは叶わないだろう
それなら、次の手だ
いつでもそう、やることは同じ
ただ最善を尽くすのみ
『あっもしもしたかちゃん?』
「ん、、、どうした」
『今夜、東卍メンバー招集かけといて。
いつでも出れるように。』
「…始まるのか?」
『わからない。
ただ万が一の為に備えておくだけ。
…そこに集まる全メンバーの指揮をたかちゃんに任せるわ。』
「俺が…?お前はどうすんだよ。」
『私は万次郎と一緒にいる。
私たちがどう動くか分からない以上、指揮権がこちらにあるべきじゃない。
大まかなことはこっちから連絡するから、受けられるようにしておいて。
あとは臨機応変にお願い。』
「わかった。」
こっちはこれで大丈夫…
あとは、
『もしもし、タケミっち?』
「は、はい!」
『今日はヒナちゃんとデートでしょ?』
「へへ、そうなんです実は…」
『けんちゃんとエマも一緒のダブルデート』
「え!なんでそこまで知ってるんすか!」
『いいから。
とにかくタケミっちはけんちゃんのそばを離れないで。
何かあればすぐ私に連絡頂戴。』
「え?」
『じゃあ、よろしくね』
それと、、、
柚葉に預かってもらっておいた医療器具
使えるものと使えないものとで分けていく
麻酔が一本手に入ったのはデカかったな…
注射器とガーゼとコッヘルが数本、ペアンは、、、無かったか…
バッグの中をゴソゴソと漁る
その中から役に立ちそうなものを別のカバンに詰めていく
種類も量も正直心許ない
これだけなら普段の救急医療は成り立たない
『でも、大丈夫。
これを使うことはないんだから』
そう
あくまでこれは最悪の場合
こんなものを使わなくていいように私とタケミっちは来たんだ