第7章 Incident
ペーくんはパーちゃんの補佐のようなことをしていたが、別にお世辞にも賢いと言えるようなタイプではない
その割に、回り込んでも一向に捕まらない
そして、ずっと気になってる
まだ、この抗争を企てた犯人の尻尾すら見えてない
手っ取り早く内輪揉めで東卍を二つに割ろうとする目論見が途絶えたから手を引いた
そう考えるのが一番楽だが、ペーくんが捕まらないとこをみるとそれはない
まだ彼は犯人と繋がってる
だとすると、まだ何かある
まだ諦めてない
そしてぺーくんの狙いはどこにあるのか
普通に考えるなら、以前と同じようにけんちゃん
でも、パーちゃんを救うと言っておきながらけんちゃんと和解した万次郎にも何か思うとこがあるかもしれない
当たり前だが、万次郎を狙うよりはけんちゃんの方がリスクが低い
ただし、言葉の揺さぶりに弱いのは万次郎だ
実際、パーちゃんの件で揺さぶられたのは万次郎
そしてまんまと犯人の思うがままに彼は動いた
『…絞らないと』
今の状況から考えられるのはこれくらい
ここから最も考えられる可能性を絞って配員を決める
確実なのは、まだこの抗争は終わっていないこと
そして主犯は不明
東卍の情報源はペーくんとその周辺
そして彼らの狙いはけんちゃんか万次郎
そしてそこから派生した東卍の崩壊
狙われるとすれば武蔵祭り
暴力ならばけんちゃん
知力ならば万次郎
そして当日、けんちゃんはエマと祭りに行き、タケミっちが着いてる
そして4人とも人混みの中、狙われるならば解散後の夜
万次郎の行動はわからないけれど、1人にはしていけない
言葉に飲まれないような誰かを側につけなきゃいけない
それと、万が一のため、たかちゃんはいつでも東卍組織を動かせるようにスタンバイさせておこう
となると、万次郎の隣にたかちゃんは置けない
圭くんは…無理だな
なら、当日は私と万次郎が一緒にいよう
それから…