第5章 Cause
「すごいですね…」
「いつもこんな感じだよ
うるさいっしょ?」
「でも、なんていうか、、、感動します…!」
「確かにね〜」
タケミチくんたちが集会に行ってしまって、私はエマちゃんと神社の隅でその様子を眺めていた
自分が居たところとは世界が全く違って、凄く新鮮だった
それに…
「伊織さん、女の子なのにすごい…
カッコいい、、、」
「でしょ?
伊織はドラケンに並ぶNo.2だからね!
周りからは"マイキーの女"って呼ばれてるの」
「え!じゃあ…」
「いやいや、実際はそういう関係じゃないよ?
まぁ本人たちはお互い好きなんだろうけど、どっちも伝えようとしないからあのままなの
あーもう!焦ったい!!」
「へぇ、そうなんですね…」
「あっ!でもこれあんまり言っちゃダメだから!
伊織はあんまり表には出てこないの
今日みたいに前に出てるのはすっごい稀
この中にも多分今回初めて見た人も結構いると思うよ」
「え?どうしてですか?」
「さあね、マイキー達しかそれは知らない
それで本人もみんなも納得してるしそれでいいんじゃない?」
「へぇ」
前に、タケミチくんに言ったことがある
ヒナがタケミチくんを守ってあげる、って
ヒナも男の子だったらよかっのに、って
でも、伊織さんは女の子でもちゃんとこんなに大勢の人の前で凛として立ってる
…本当にすごく、かっこいい
「伊織さんみたいに、なりたいな…」
「なれるよ、ヒナちゃんなら
…彼氏くんのコト、ごめんね。さっきウチ伊織にも怒られちゃった
やっていいことと悪いことがあるって」
「…」
「ウチさ、ドラケンのことが好きなんだ
でもドラケンはすっごく大人で、ウチのことなんて見てなくて、、、伊織がマイキーのこと好きなの知ってても、たまに2人がお似合いだって嫉妬しちゃう時もあるくらい」
「…エマちゃん」
「だから、伊織みたいに心は大人になれないけど身体だけならって思っちゃって…
本当にごめんね。」
エマちゃんはそう言って私に謝ってくれた
エマちゃんも好きな人がいて、その人のために少し行きすぎちゃったんだ