第5章 Cause
『あ、これは…』
「伊織…?」
『違うの!
あれ?、、止まんない…どうして、、、?』
何度も何度も擦っても溢れてくる涙
その度に心配げな瞳で私を見下ろす4人
嗚呼、そんな目で私を見ないで…
余計止まらなくなる、、、
「…伊織、手で擦るな
これ使え」
『っ、ありがと、たかちゃん…』
「三ツ谷貸せ、オラ、泣くな」
『…痛いよ、圭くん』
「悪い…」
『ふふ、みんな変わらない…』
両手で私の頬を包んで、じっと私を優しく見つめる万次郎
特攻服に似合わないかわいいハンカチを差し出してくれるたかちゃん
それをぶんどって、万次郎を押し退けて少し乱暴に涙を拭く圭くん
何も言わないけれど、あったかい手を私の背中に添えてくれるパーちゃん
みんな、ひとつも変わらない
『…ごめん、もう大丈夫。』
「なんかあったのか?」
『万次郎とけんちゃんには言ったけど、、、前にリアルな怖い夢見て…
みんながいなくなっちゃう夢。』
「あー、場地とケンチン死んだやつか」
『それ』
「は!?
伊織勝手に殺すな!俺は死なねーよ!!!」
「ハハッ、そうだな。
伊織、安心しろ。このバカは死なねーし、ドラケンが死ぬとしたらそれは過労だ。
お前がマイキーのお守り手伝ってやればあいつも死なねーよ」
「…三ツ谷、お前それどう言う意味だ?」
「やべっ!」
「…伊織置いて俺らがどっか行くわけねーよ
バカな俺でもわかる」
今1番気が立っているパーちゃんにさえ、そうやって心配させてしまう。
…ダメだなぁ、私が1番年長者なのに、、、
『そうね!
ごめんなさい、心配かけて』
「いーって!
何もなくて安心した。
これからもなんかあったらすぐ言えよ?」
『うん、ありがとう
あと…じゃあお願い、してもい?』
「いいよ」
『あの…ぎゅーってして?』
「ハハッ、伊織今日甘えただー
いいよ!」
万次郎を筆頭に、みんながぎゅってしてくれた
体から伝わる鼓動と温もりがひどく安心した