第5章 宗三左文字 / 触手パニック!? ★
「さ、お小夜。心配いらないようですので、またお花の種を集めに行きましょうか」
「うぉぉぉい行くな!! 取り合えず助けろ!!」
そうやってお小夜の眼を隠している中で言い争っていると。
おずおず…とお小夜が宗三の着物の裾を軽く引っ張った。
「兄さま…、お花の種は僕が集めるから…。兄さまは主を助けてあげて…?」
そう言って小首を傾げる姿に
宗三と私はきゅーん♡ときた。
天使…やっぱお小夜は天使…
「…わかりました。すぐに何とかしてお小夜の後を追いかけますので、先に行っていてくれますか?」
コクコク、と頷くお小夜を私の姿が目に入らないようにくるっと回転させ、お小夜の眼を覆っていた両手を外した。
そして、優しく頭をぽんぽん、とすると、お小夜は森の茂みに入って行った。
そしてまた私の方へ振り返った宗三は
「…そういう事ですので。あまり時間は掛けられません。覚悟は良いですね?」
「…え」
ゆらりと刀を構えたかと思ったら
今まで見たことのないスピードで飛び掛かって来て。
眼にも見えぬ早業でぬるぬるスライムの触手を切り落とし
私を抱き抱えて湖のほとりに着地したのだった。
正直、死んだかと思った…私。
「…攻撃をすることは無いとは言っていましたが、念のため聞きます。お身体は大丈夫ですか?」
「だ…大丈夫な訳ないでしょ~!? 宗三達が来る前…あんなヌルヌルの触手に…その…へんな所、触られて…気持ち…悪かったんだから…っ///」
「…へぇ…?」
心なしか、宗三の眉がピクッと動いたような気がしたときに。
また空から謎の声が聞こえて来た。
『諸君!! ぬるぬるスライムは攻撃をすることは無いが、稀に女の子のナカに媚薬効果のある体液を注入することがある!! 身体に害は無いが、掻き出さないと媚薬効果がどんどん高まって、どんどんエッチになってしまうぞ~!! みんな気を付けような!!』
何だそれ身体に害過ぎるだろ!!!!!
と突っ込む前に、ふと、思い出す。
あれ…? そういえば、なにかナカに出されたような…?
「黙りこくってどうしたんです? まさか、本当にナカに出されたというのでは…」
「ぁんっ///」
「…っ!?」
宗三の手が肩に触れただけなのに、ビクッと震えて甘い声が出てしまう。