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とうらぶ夢倉庫(短編館)

第4章 浦島虎徹 / 守りたかったもの ★






「ありがとうございました~」


さんが飲みたがっていた飲み物を二つ購入し、わくわくと心躍る気持ちでお店を出た。
さん、今度はどんな顔を見せてくれるんだろう。
驚いた顔も、美味しいって緩ませる顔も、楽しそうに笑う顔も全部可愛くて大好きで。
早くそんな顔が見たいなぁって少し足早にさっきの場所へ戻るけど…。


「あれ…? さん…?」


道を間違えたかな…?と踵を返したその時。
油断していて、暴漢が襲って来るのに反応が遅れてしまって。



俺は意識を手放してしまった。






ー---------





頭がズキズキする…。
何だかボーっとするし…。
……? あれ? 真っ暗で何も見えない…?


状況を整理しようと、記憶を思い返していると




「…っ、いや…っ、やめて…っ!!」
「へへ、いいじゃねぇか…」



聞こえて来た声にハッとした。



「さん!!??」
「お、起きたみてぇだなぁ」



楽し気な男の声がして、急に視界が眩しくなり目が眩んでしまう。
どうやら目隠しを外されたらしい。
目を慣らす為に瞬きを繰り返していると…。



「だ…っだめ、見ないで…っ!!」
「え………」



悲痛な声で叫ぶさん。
段々眩しさにも慣れて視界がクリアになっていくと…


服を乱され、一人の男に両腕を拘束され
もう一人の男に露出された胸をいやらしく舐められているさんの姿。



「やめ……やめろっ!!! …っ!?」


急いでさんの所へ行こうとするが、俺の身体は縄で柱にキツク結ばれていて、身動きが出来なかった。


「おうおう、いいザマだねぇ」


楽しそうな声色で俺の顔を覗き込んでくる男。
その手にはビデオカメラが握られていた。


「可愛い彼女が他の男にヤラレてるってのはどんな気分だァ?」
「ふざけるな…!! 絶対に許さない…!!」
「あぁん?」


男は縛られている浦島に殴る蹴るなどの暴行を加えていく。


「浦島くん!!! やめて、お願いやめて…っ!!! やめ…んんっ」


やめるように懇願するも、男たちに口を塞がれて言葉にならない。
そんな様子を、先程まで浦島くんに暴行していた男が、面白がってカメラをこちらに向けて近付いて来た。





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