第1章 源清磨 / キミの為だけのアロマ ★
『良かった、待ってるね』
仕事を定時に終え(清磨のお陰でめちゃくちゃ頑張った)
LINEを確認するとそう返信が来ていて。
胸が高鳴った。
いつ振りかな…会うの…。
どんな服着て行こうかな…。
髪、巻いて行こうかな…。
お風呂は勿論済ませて行った方が良いよね…?
エステって…え? なんかマナーとかあったっけ!?
混乱した頭を何とか落ち着かせて、一旦家へと急いだ。
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「えぇと……」
清磨が働いているエステ店
閉店10分前
店の前には人だかりが出来ていた。
見事に、女の子ばっかり。
これは、所謂…出待ち、というアレなのかな…。
とりあえず、中に入ればいいのだろうか…?
この雰囲気に圧倒されつつ、周りの女の子たちの視線に緊張しながら、お店の中へ入った。
「いらっしゃいませー…、あ、もしかして、清磨くんの?!」
「あ、はい…、えっと…」
「こちらへどうぞ~♪」
綺麗な女性スタッフが、個室まで案内してくれた。
すれ違うスタッフさんも、みんな綺麗だなぁ…。
お店も、スタッフさんも、みんなキラキラして見えた。
そっか、こんな所で清磨働いてたんだなぁ…。
なんだろう、少しだけ、胸がチクッとした。
閉店の21時を少し過ぎて、コンコン、と扉を叩くノックが聞こえた。
緊張でビクっとしていると、入っても大丈夫?と、優しい清磨の声がして。この声に安心しちゃって、うん、と一言返すと、清磨が入って来た。
実は生で初めて見る、清磨のこのお店の制服姿。
テレビで出てるのは見た事あるけど、テレビ以上にカッコいい…。
「、お疲れ様。ごめんね、ちょっと待たせちゃったね?」
「全然、清磨こそお疲れ様だよ。最近忙しそうだし…、大丈夫?」
「ふふ、ありがとう。僕は大丈夫だよ、それに今日は僕じゃなくて、を癒す日なんだから」
そう言って、いつものように優しく笑って、「誕生日、おめでとう」って言ってくれて。
嬉しくて。多分すごく締まりのない顔で、ありがとうって言った気がする。