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【HP】怪鳥の子

第52章 ヒッポグリフ


「では、ポッター、教えておきましょう。シビル・トレローニーは、本校に着任してからというもの、一年に一人の生徒の死を予言してきました。いまだに、誰一人として死んではいません。死の前兆を予言するのは、新しい生徒を迎えるときのあの方のお気に入りの流儀です。私は、同僚の先生の悪口は決して言いません。理由がなければ----」

 マクゴナガル先生は、一瞬言葉を切った。みんな、先生の鼻の穴が大きく膨らんだのを見逃さなかった。
 それから、先生は少し落ち着きを取り戻して話しを続けた。

「『占い学』というものは、魔法の中でも一番不正確な分野の一つです。私が、あの分野に関しては忍耐強くないということを、皆さんに隠すつもりはありません。真の予言者は滅多に居ません。そしてトレローニー先生は----ポッター、私の見るところ、あなたは健康そのものです。ですから、今日の宿題を免除したりいたしませんからそのつもりで。ただし、もしあなたが死んだら、提出しなくても結構です」

 ミラとハーマイオニーは吹き出した。ハリーも少しだけ気分が軽くなったのか、表情に少し明るさが戻った。しかし、他の生徒たちはまだ不安そうにしていた。ロンもその一人だった。ラベンダーも「でも、ネビルのカップはどうなの?」とささやいていた。




 変身術の授業が終わり、四人は生徒たちで混み合う廊下を歩きながら大広間へ移動した。ロンはまだ暗い表情をしていた。

「ロン、元気だして」

 と、ハーマイオニーがロンにシチューの入った大皿を渡してあげた。

「マクゴナガル先生のおっしゃったこと、聞いたでしょう」
「そうだ。そもそも、あんな胡散臭いの先生の占いを信じている方がどうかしてる」

 ミラはまだ不安そうな顔をしているロンに吐き捨てる様に言った。

「ロニー坊やがそんな女々しいやつだったなんて、知らなかったよ」
「そこまで言わなくてもいいだろ!----ねぇ、ハリー、どこかで大きな黒い犬を見かけなかったりしなかったよね?」
「うん、見たよ。ダーズリーの家から逃げ出したあの夜、見たよ」
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