第51章 占い学
ミラは胡散臭そうにトレローニー先生を見た。元々占いなどに興味がないミラは、静かにトレローニー先生の話を聞いていたが、ネビルの祖母について不安を煽るようなことを言い、イーズターの頃にはクラスの誰かが占い学を去るだろうと予言した。
トレローニー先生はそれだけではなく、ラベンダーにも十月十六日の金曜日に、彼女の恐れている事が起こると言った。どうして不安になるような予言しかしないのだろう----トレローニー先生は、自分にどんな予言をしてくれるのか。
「それでは、みなさん、二人ずつ組になってくださいな」
クラス全体が張り詰めた沈黙が流れたが、トレローニー先生は全く気にしていない様子だった。
「棚から紅茶のカップを取って、私のところへいらっしゃい。 紅茶を注いで差し上げましょう。それから、お座りになって、お飲みなさい----最後に滓が残るところまでお飲みなさい。左手でカップを持ち、カップを三度回しながら飲み干してください。 それからカップを受け皿の上に伏せてください----最後の一滴が切れるのを待ってご自分のカップを相手に渡して、読んでもらいます。『未来の霧を晴らす』の五ぺージ、六ぺージを見て、茶葉の模様を読みましょう。私は、みなさまの中に移動して、お助けしたり、お教えしたりいたしますわ。
ミラとハーマイオニーのカップにお茶が注がれると、二人はテーブルに戻った。お茶は火傷するような熱さで、二人はフーフーと息を吹きかけて、少し覚ましてからゆっくりと飲み始めた。
「ハーマイオニーは、占いって信じる方?」
「少なくとも私は信じてないわ。根拠のない予言や水晶玉なんて、まったく非論理的よ。未来は決まっているものじゃなくて、自分の行動で変えられるはずだわ」
「ハハッ、ハーマイオニーらしい答えだ」
「そういうミラはどうなの?」
「んー…今まで占いなんてしたことがないからよく分からないけど、私もハーマイオニーに同意かな。決まった未来なんてまっぴらごめんだ」