第51章 占い学
ハリーとロンの向かいの席にミラとハーマイオニーが座ると、ハリーの隣りにジョージが座った。ジョージは四人に三年生の時間割を手渡ししてくれると、ハリーの様子がおかしいことに気が付いた。
「ハリー、何かあったのか?」
「マルフォイの奴さ」
と、ロンが言うと、ジョージはスリザリンのテーブルを睨み付けた。
すると、ちょうどその時、ドラコはまたしても恐怖で気絶するふりをしているところだった。
「あの役立たずが」と、ジョージは思ったよりも落ち着いた様子で言った。
「昨日の夜はあんなに気取っちゃいられなかったようだぜ。列車の中でディメンターが近付いて来たとき、俺たちのコンパートメントに駆け込んで来たんだ。なあ、フレッド?」
「ほとんどお漏らししかかってたぜ」
と、言ったフレッドが、軽蔑の目でドラコを見ていた。
「それに、ミラを窓に押し付けてキスしようとしてたぜ」
「はぁ?」
「フレッド!!!」
ミラは余計なことは言うなと、フレッドを睨み付けた。
「どう言うこと、ミラ?あんな奴と----したの?」
「おぇえ…勘弁してくれよ」
ハリーが怖い顔でミラに尋ねてきた。ロンは今にも食べていたオートミールを吐きそうだと言った顔をしていた。ハーマイオニーも朝食の手を止めて、ジッとミラを見つめていた。
「違うよ。何もなかった。たまたまジョージたちのコンパートメントにいたら、お漏らししかかったマルフォイがコンパートメントに飛び込んできて----ぶつかってきたんだ」
「電気がついたらビックリしたぜ。なんせ二人の距離といったら」
「流石のマルフォイもミラの顔をジッと見つめてたな」
「鼻血が出てたからだ!」
フレッドとジョージが、お互いの顔を近付けて見つめ合った。何故かジョージの顔が少しうっとりしているように見えるのは、自分なのか、ドラコなのか----いや、どっちもうっとりするような状況じゃなかった。明らかに面白がっているのだ。
「どうしていってくれなかったの?」と、ハリーがミラを咎めるように言った。
「だって----こうなると思って言いたくなかったんだ」
ミラはスッと細めた目を双子に向けた。