第50章 新学期
「さて、これで大切な話はみんな終わった。さぁ、祝宴じゃ!」
ダンブルドア校長が宣言すると、目の前の空の金の皿と金の杯に突然食べ物と飲み物が現れた。ミラはそこでやっと、自分が腹ペコだったことに気が付いた。ハリーも同じだったようで、手当たり次第食べ始めていた。
最後のカボチャのタルトを食べ終える頃になると、ダンブルドア校長の就寝の時間を宣言を受け、四人はチャンスだと思い、急いでハグリッドに駆け寄った。ハグリッドが先生になると言うことが、どれだけハグリッドにとって嬉しいことなのか、四人はわかっていた。ハグリットは一人前の魔法使いではなく、三年生の時に、無実の罪でホグワーツから退学処分を受けていたのだった。
しかし、昨年ミラ達の活躍で、ハグリッドの名誉が回復したのである。
「おめでとう、ハグリッド!」
最初にハーマイオニーが甲高い声を上げた。
「みんな、お前さん達四人のおかげだ」
と、ハグリッドはテカテカに光った顔をナプキンで拭って顔を上げた。ハグリッドはどれだけ嬉しいかを話すと、感極まってナプキンで顔を埋めてしまった。マクゴナガル先生が、四人に寮へ戻るよう合図を送った時、ハグリッドはミラを呼び止めた。
「ミラ、お前さんに返すもんがある。こいつもお前に会いたがっとったぞ」
「エイン!」
ハグリッドは大きなポケットから真っ黒の蛇を取り出すと、ミラの前に手を差し出した。ミラはパッと笑顔になり、ハグリッドのてからエインを受け取った。エインはスルスルとミラの腕に巻きついて、顔の近くまで来ると細い舌が顔に当たった。