第50章 新学期
「あはは、私も会いたかった!それに、少し大きくなった?」
「ああ、俺が知る限り、2、3回は脱皮しとったな」
「ありがとう、ハグリッド。今度お礼させて」
ミラは待ってくれていたハリー達に追い付いてから、他のグリフィンドール寮生達と合流した。
「なんかそいつ、大きくなってない?」
と、ロンはちょっと引き気味に言った。他のグリインドール生もミラとエインを見ていたが、ミラはちっとも気にならなかった。とっくの前から自分がグリフィンドールに合っていないことは分かっていた(組分け帽子に自分を無理にグリフィンドールへ入れるよう言った)。蛇がスリザリンのシンボルだとしても、ミラにはどうでもいいことだと思っている。
「間違ってもスキャバーズは食べないでくれよ」
「失礼な。あんな見窄らしいネズミ、エインは食べないよ」
「どっかの猫は食べようとしてるけど」
ロンは恨みがましくハーマイオニーを見ると、ハーマイオニーは聞こえないふりをしていた。
グリフィンドール寮の前に着くと、パーシーから生徒みんなに新しい合言葉が教えられた。一人だけ「あーあ」と、ネビルが悲しげにしょげていた。毎年新しい合言葉を覚えることに一苦労していた。
中に入り、男子寮と女子寮に別れる時にハリーとロンに「おやすみ」と告げて、ミラとハーマイオニーは女子寮に向かった。部屋に入ると、円形の寝室に四本柱の天蓋付きベットが四つ置かれていた。
懐かしい気持ちで、ミラは自分のベットに腰掛けた。もう朝早く起こされることも、夜に部屋の鍵を閉められることもなく、安心して眠れることにミラは笑みをこぼした。