• テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第50章 新学期


 ロンが席をとってくれていたおかげで、三人はすぐに座ることができた。ハーマイオニー、ロン、ハリー、ミラの順に座ると、ダンブルドア校長が挨拶のために立ち上がるのが見えた。ミラは、校長先生がどこか苦手だった。最も偉大な魔法使いと称されていても、何もかも見透かしているような目が特に嫌だった。秘密の部屋のことも、実はわかっているんじゃないかと冷や汗をかいたほどだ。

 そして、何を考えているかわからないところもミラは嫌いだと思った。ハリーはダンブルドア校長のことを尊敬しているのは知っていたが、自分よりダンブルドア校長を頼りにしていることが特に気に食わないと思わせた。いつだってハリーを全力で守ってきたとミラは思っていたが、一年生と二年生の時も、肝心な時に自分はハリーの傍にいられることができなかった----今日の列車でのディメンターでもそうだった。


「新学年おめでとう!まず皆んなにいくつか知らせておかなければならないことがあるのじゃ。一つは、とても深刻な問題じゃから、皆んながご馳走で気が抜ける前に片付けてしまうほうが良いじゃろう----」

 と、ダンブルドア校長は、咳払いをして話を続けた。アズカバンのディメンターが、魔法省の用向きで学校に来ていること。ディメンターは学校の全ての入り口を固めており、ディメンターがいる限り、誰も許可なしで学校を離れることができないことを話した。

「透明マントでさえ無駄じゃ」と、付け加えるようにダンブルドア校長はミラ達の方をチラリと見交わした。

「言い訳や、お願いを聞いて貰おうとしても、ディメンターには通じない。それじゃから、一人ひとりに注意しておく。あの者たちが皆んなに危害を加えるような口実を与えるではないぞ」

 深刻な顔つきで、ダンブルドア校長は生徒達を見回した。誰一人身動きもせず、声を出す者もいなかった。「楽しい話に移ろうかの」と、ダンブルドア校長は言葉を続けた。


「今学期から、嬉しいことに、新任の先生を二人、お迎えすることになった。まず、ルーピン先生。有り難いことに、空席になっている『闇の魔法に対する防衛術』の担当をお引き受けくださった」
/ 745ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp