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【HP】怪鳥の子

第50章 新学期


 城の中に入ると、生徒の群れに習うように大広間へ向かって歩いていると、ハリーとハーマイオニー、そしてミラを呼ぶ声が聞こえた。驚いて振り向くと、マクゴナガル先生が、生徒達の頭越しに向こうの方から呼んでいた。

「ポッター、グレンジャー、グローヴァー、三人とも私の所においでなさい!」

 人混みを掻き分けてマクゴナガル先生の元へ向かうと、よっぽどハリーの顔が心配そうみ見えたのか、厳格そうな顔がほんの少しだけ和らいだ。正直、ミラもまさか鼻血のことで呼び出されたのではと少しヒヤヒヤしていた。

「そんな心配そうな顔をしなくてもいいですよ----ちょっと私の事務室で話があるだけですから」と、言った。ロンもついてこようとしたが、マクゴナガル先生に先に大広間へ行くよう言われ、渋々と生徒達の群れに戻って行ってしまった。マクゴナガル先生の後をついていくと、見覚えのある事務室に着いた。空いている席に座るように身振りで示されると、三人は少しだけ緊張しながらも椅子に座った。
 マクゴナガル先生は事務机の向こう側に座り、唐突に切り出した。

「ルーピン先生が前もってふくろう便をくださいました。ポッター、列車の中で気分が悪くなったそうですね。それにグローヴァー、貴方も服に血がついていたそうですが」
「ただの鼻血です----誰かとぶつかってしまって」

 咄嗟にミラは口が出た。マクゴナガル先生は静かに、ジッとミラを探るように見つめた。ミラはゴクリと唾を飲み込んだ。数秒が数分に感じられ、ただ暖炉の火がパチパチと爆ぜる音だけがやけに大きく聞こえたのち、マクゴナガル先生は「そうですか」と、やっと視線をミラからハリーへと向けた。ミラは内心ホッとした。今年こそ、マクゴナガル先生には心配をかけないようにしないに心がけようと思った。

 そこへ校医のマダム・ポンフリーが扉をノックして気忙しく入って来た。余程倒れたことが恥ずかしかったのか、ハリーの頬に赤みがさしていた。

「おや、また貴方達ですか?また何か危険なことをしたのでしょう?」
「ポピー、ディメンターなのよ」

 と、マクゴナガル先生が言うと、二人は暗い表情になった。
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