第49章 吸魂鬼(ディメンター)
「へぇ、誰かと思えば、ポッティー(トイレ)と、ウィーゼル(イタチ)じゃないか!」
クラッブとゴイルがトロールのような笑い方をし、ミラは冷たく三人を見ていた。ドラコもミラがここにいることをわかっているのか、あえてミラとハーマイオニーには触れなかった。
「ウィーズリー、君の父親がこの夏やっと黄金を手にしたって聞いたよ。母親がショックで死ななかったかい?」
ついにロンが立ち上がったその時、ルーピン先生がいびきをかいた。
「そいつは誰だ?」
「新しい闇の魔術に対する防衛術の先生、って言ったらどうする?」
ドラコはルーピン先生を見つけた途端、無意識に一歩退いた。すかさずミラがニヒルに笑みを浮かべて教えてあげると、ドラコは目を細めてミラを見た後にルーピン先生を見ていた。
「マルフォイ、今なんて言ったんだ?」
ロンが今にもドラコに殴りかかっていきそうなのを、ハリーも立ち上がって止めようとしていた。
「----行くぞ」
ドラコは苦々しげに二人に声をかけてコンパートメントから出て行った。さすが、先生の鼻先で喧嘩を吹っかけるほど馬鹿ではなかった。ハリーとロンは座り直したが、ロンはまだ拳をさすっていた。まだ怒りが収まらないらしい。