第48章 内緒のアイスクリーム
「行く宛ては?」
「特にない。父上にお前と話しているところを見られるのはマズイからな」
「じゃあいいところがある」
ミラはドラコの隣に並ぶと、行きたい方向に指をさした。
「どこに行くんだ?」
「それは着いてからのお楽しみさ」
またいたずらっぽい笑みを浮かべたミラは、ご機嫌で足を進めた。
「----それにしても、意外だな。ポッターは一緒じゃないのか?」
「ハリーはちょっと用事があってね。それにいつも一緒じゃない。今日はたまたま一人なだけさ」
「今日は?」
ドラコは訝しげにミラを見た。
「色々あって院を飛び出してきた。今は漏れ鍋ってところで宿泊してる」
「おい、色々ってなんだ」
「色々さ----あ、手紙と一緒にくれた紙、すごく役立ってくれた。おかげでホグズミードには行けるよ」
「…上手く使えたみたいだな」
「うん、もしあの紙がなかったら一生ホグズミードには行けなかったと思う…ありがとう、ドラコ」
ニコッとミラは笑うと、ドラコはフン、とだけ鼻を鳴らした。
「でも、もう一つのあの本はなんだ?私にドレスでも着て、貴族ごっこでもさせる気か?スカートは好きじゃないんだ」
「気に入ってくれてよかったよ」
「ああ、一番お気に入りの本さ!」
笑顔も束の間で、ミラは拗ねた顔をして腕を組んだ。ドラコは思った通りの行動をしたミラに笑みを浮かべた。