• テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第48章 内緒のアイスクリーム


「今年は、何もないといいけど」

 ただ普通に、平穏に学校生活を送りたいという顔をしているハリーを見て、ミラは贈ったグローブがハリーを優勝に導いてくれますようにと願った。



 漏れ鍋で何日か過ごした後、ミラは学校の宿題を全て終わらせた。ハリーは遅れた分を取り返そうと、まだ残っている宿題に取り掛かっている間、ミラは一人でダイアゴン横丁を歩いていた。ハリーからもらった革靴を早速はいて歩いていると、サイズは少し大きいものの、幸せな気持ちが湧いてきた。もちろんハリーと一緒に行動するのもいいが、一人でフラフラする時間も好きだった。

 途中、編み物専門店のお店に立ち寄り、モリーへのお礼を兼ねて毛糸を沢山購入した。それをフクロウ便で送ってもらうようにお店で手続きをした後、お店を出たときに目立つ髪の色を二つ見かけた。一瞬だったが、特徴的なプラチナブロンドの髪をもつ親子はそうあちこちいない。

「一体何をしてるんだ…?」

 ミラは好奇心を抑えられず、見失った方角へ走って向かうと、すぐに二人を見つけることができた。後ろ姿から見ても、黒いマントを羽織り、どちらもオールバックの髪型をしている。背が大きい方がルシウス・マルフォイで、その隣を歩いているのはドラコだとミラは確信した。二人に気付かれないようについていき、またノクターン横丁にでも行くのかと怪しんでいると、二人は本屋に入ってしまった。多少ガッカリはしたものの、ミラもこっそりとお店に入った。

 二人に見つからないように慎重に店内を探していると、ルシウスの姿は見えなかったが、少しつまらなさそうな顔をしたドラコを見つけた。ミラは本棚に隠れながら移動し、ドラコから二つほど離れた本棚から顔を出してドラコに声をかけた。

「ドラコ!」

 ミラはドラコに聴こえるだけの声量で声をかけると、ドラコは驚いたように振り返った。
/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp