第48章 内緒のアイスクリーム
暫く見て回っていると、赤茶色のグローブが目に飛び込んできた。ミラはこれだと思い、サイズを確認してからすぐさまカウンターに向かった。プレゼント用に包んで欲しいとお願いすると、店主は快く引き受けてくれた。お店を出ると、ハリーはまだファイアボルトを眺めていた。一年生の時に見た、みぞの鏡のようだとミラはハリーを呆れつつも、手を引っ張って次のお店へと向かった。
学校の物をある程度揃えると、ミラとハリーはまた漏れ鍋に戻った。夕飯の時間にまた下へ降り、夕飯を食べ終わった後、ミラはクィディッチ専門店で買ったグローブをハリー贈った。
「ハッピーバースデー、ハリー!少し遅れてるけど」
「ありがとう、ミラ!僕からも、おめでとう!」
「ありがとう、ハリー!」
ハリーも紙袋をミラに贈ると、ミラは早速中を見た。二人は袋からプレゼントを出すと、ワクワクした顔をさせながら贈り物を開いた。
「これ、靴だ!」
ハリーからのプレゼントは、茶色の皮のショートブーツだった。紐で結べるもので、ミラはその靴をギュッと抱きしめた。学校用の靴は買ったことがあったが、ミラはこれまで普段の靴を買ったことがなかったのだ。履ければいいと、お古のボロボロの靴を履いていても気にしていなかった。
ハリーも新品のクィディッチの赤茶色のグローブを手に取ると、滑らかな皮の手触りに、金色の糸で綺麗に刺繍されていた。
「これ、クィディッチ用のだよね?」
「今年こそグリフィンドールに勝ってもらわないと。じゃないと、あのウッドとかいう上級生が爆発しかねない」
「そうだね…今年こそ勝たせてあげたいよ」
ハリーは苦笑いした。一年生の時も、去年も最後の試合に出られなかったせいでグリフィンドールは優勝を逃している。特にウッドは今年が最後のチャンスのため、きっと去年よりも熱くなっているに違いないとハリーは思った。