第47章 擬態紙
ハリーの手紙に書いてあった通りにナイトバスを呼ぶと、ナイトバスの乗り心地になんとか耐えながらロンドンの『漏れ鍋』に辿り着いた。もうすぐ夜中だというのに、漏れ鍋のドアは簡単に開いてミラを歓迎してくれた。
「ミラ!」
トランクとフクロウの籠を掴んで、お酒を飲んで賑わっている大人たちの間を抜けていくと、ハリーがその中から嬉しそうな顔をして現れた。
「ハリー!」
ミラもパッと喜びの顔をすると、トランクとフクロウの籠を置いてハリーと抱き合った。
「元気そうでよかった!家を飛び出したって手紙をもらったときはビックリしたよ!」
「君も上手く抜け出せたみたいでよかったよ」
「あんなところ、いつでも受け出せるさ」
ミラは得意げに笑みを浮かべると、二人はもう一度抱き合った。
「来て、ミラ。君のフクロウをもらってすぐに部屋を用意してくれるように頼んであるんだ」
ハリーはニッコリと亭主のトムを見ると、向こうも二人に気が付いてカウンターの後ろの扉を開けてこっちにやってきた。亭主のトムはしわくしゃで、歯が抜けていたがニッコリと微笑んでくれた。
「ご友人が来られましたかな?」
「はい。これから部屋に案内しようと思ってます」
「それは助かります。これが鍵です、どうぞ。ポッター様の隣に部屋を用意してあります」
「ありがとうございます」
ミラは鍵を受け取ると、ハリーがトランクを持って部屋まで案内してくれた。ミラは興奮して眠れそうにないと思った。部屋に着くなり、ミラはハリーに一体何があったのか聞きたくてたまらない様子でハリーに話しかけた。