第47章 擬態紙
ドラコの手紙を出すと、何も書かれていない真っ白の紙を出した。そして手紙をもう一度読み返した。
『マグルを騙せるものだ。必要な紙にそれを被せろ。マグルには僕たち魔法使いにしか理解できないものを伏せてくれる。これでお前と一緒にいる孤児院のマグルを出し抜いてやれ。』
晴天の霹靂と言えばいいのだろうか。ドラコが寄越した紙の意味がやっと分かり、今ならドラコに飛びついてお礼を言ってもいいとさえ思った。ドラコはこうなることを予想していたのだろうか?確かに、孤児院のことはあまり話したことはないが、ここを快く思っていないことを話したことはある。
ミラは早速その紙をホグズミード許可証に被せた。最初は何も起こらなかったが、上に乗せた紙はどんどん透過していき、下に敷いた許可証が助けて見えた。完全に上の紙が見えなくなると、許可証は全く違うことが書かれていた。しかし、署名の位置は変わっておらず、これならミス・メアリーを騙せると思った。
問題は、どうやってサインをもらうかだ。ミス・メアリーの書斎に置いておいても、いつサインをしてくれるかはわからない。それに、書斎に潜り込まなければならないことも問題だ。ハリーの透明マントがあれば、忍び込むことなんて簡単なことなのに、透明マントもハリーもここにいない。
何かいい方法はないかと頭を悩ましていると、五日が経ったころにハリーから手紙が届いた。何かあったのだろうかと手紙を読んでみると、「え!」っと、ミラは声をあげてしまった。
ミラへ
やあ、ミラ。
驚かないで欲しいんだけど、訳あって僕は今『漏れ鍋』のホテルに泊まってる。ダーズリー家で色々あって、家を飛び出したんだ。その時、ナイト(騎士)バスっていう魔法使いたちが使ってるバスを僕がたまたま呼んでしまったんだ。君もロンドンに来るなら、ナイトバスを使うといい(乗り心地は微妙だけど)。
事情は君がロンドンに来てから話すよ。ロンドンで待ってる。
P.S『漏れ鍋』の店主が作る朝食は中々悪くないよ。
ハリーより