第46章 憎しみの芽【アズカバンの囚人編】
ハグリッドのは茶色の包み紙に、ミミズがのたくったような文字が書かれていてすぐにわかった。包み紙を解いていくと包みが奇妙に震え出し、ミラは解いていた手を止めた。未だに震えている小包を見て、自分の手が震えているわけじゃないと確認すると、ミラは解きかけていた包みをできるだけ早く元に戻した。何か開けてはいけないような気がして、ミラは先に手紙を読む事にした。
誕生日を祝う言葉と、プレゼントは来学年に役立つものだと書かれていた。それが何か説明されていなかったが、ミラはしばらく開ける気にはなれなかった。孤児院ではなく、ダイアゴン横丁についてから開けようと決めた。
更に数日後にロンからの手紙が届いた。ロンのフクロウ、エロールはかなりの年寄りで、手紙を届けにきた時もヘトヘトになった様だった。手紙が遅れたのも、きっとどこかで迷ったか、休憩をとっていたに違いないが、こんなに歳を取っているのに一生懸命頑張ってくれたエロールを、ミラは大切に労ってやった。
ロンの手紙には、『日刊預言者新聞』ガリオンくじグランプリに当たり、エジプトに行くとが書かれていた。帰ってくるのは一ヶ月後で、ダイアゴン横丁で会おうと、少し走り書きしたロンの字を見て、よっぽど楽しみなんだろうと、ミラは微笑んだ。
この間、ハリーの家に電話をしたら、ハリーのおじさんが出て大変だった。僕が叫んだのがいけなかったみたいなんだけど、ハリーが無事だといいな。
ホグワーツから帰りのホグワーツ特急の中で、ハリーがロンとハーマイオニーに電話番号を渡していたのを思い出した。使い方は、去年の夏休みにハリーと一緒に教えたはずだったが、アーサーに聞く前に、ロンが電話してしまったんだろうと、ミラは苦笑いをこぼした。
追伸に、エジプトでいい物を見つけてくるから、それまでプレゼントは待っていてほしいとも書かれていた。