• テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第46章 憎しみの芽【アズカバンの囚人編】


 そんな最悪の夏休みの始まりだったが、ミラはトランクに閉まってあった手紙を出して読み返すと、心が少し落ち着いたのである。その手紙は、夏休みが始まってから届いたもので、送り主はハリー、ハーマイオニー、ロン、ハグリッド、そして、あれだけ文句を言っていたドラコからも来ていた。

 どうしても夏休みが始まる日に誕生日があるせいで、当日に手紙やプレゼントを受け取れない事は理解していたし、ミラはそれを気にしてもいなかった。ささやかだが、マグルの世界に戻る前のコンパートメントの中で、売店の魔女からお菓子を買って、ハリーたちが小さな誕生日パーティーをしてくれた。

 ハーマイオニーは手紙を先に渡すべきか、それともプレゼントと一緒に送るべきか、ずっと悩んでくれていた。
 

 しかし、ミラを一番驚かせたのはドラコからの手紙が、誰よりも一番先に届いたことだった(もちろんハリーが一番に手紙をくれたが、お互いプレゼントはダイアゴン横丁に着いてから渡すと決めてある)。夏休みが始まって次の日の夜、ワシミミズクがミラの部屋の窓を突いてきた事に驚かされた。窓を急いで開けると、ワシミミズクはスッと部屋に入って来て、小包をベッドに落とした。

 一体誰のフクロウなのだろうとミラは小包を持ち上げると、宛先の名前を見て思わず「え?」と声を漏らしてしまった。小包を開けようとすると、小包を届けたワシミミズクが鳴き出した。

「ああ、ごめん。先にご飯と水の用意をするよ」

 ミラは小包から手を離すと、トランクからフクロウの餌と、ノクチュアが使っている水入れに自分が飲んでいた水筒から水を入れを差し出した。ワシミミズクは最初、なんだこれはと言ったような顔をして餌と水入れを見ていたが、仕方なさそうにそれを口に含んだ。
/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp