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【HP】怪鳥の子

第46章 憎しみの芽【アズカバンの囚人編】


  ミラにとって、一年の内で一番嫌いなのが夏休みだった。ホグワーツに通いだしてからは、尚更嫌いになった。親友のハリー・ポッターも全く同じで、時間が空いた時だけ近くの公園で愚痴を言い合うのは毎年のことだ。しかし、今年の夏はまだハリーに一目も会えていない。

 その理由は、ミラはこの夏、外出が禁止されていた。ホグワーツから帰ってきて早々、孤児院の院長のミス・メアリーはミラに怒鳴りつけるように言いつけた。去年勝手に抜け出したことに酷く腹を立てており、孤児院での雑用をもっと増やされてしまった。
 おかけで朝早く朝食を作ってから、夕飯の皿洗いが終わるまで、ミラは毎日クタクタだった。ヒビや乾燥していなかった手は、今はボロボロだ。

 ハリーにはこの夏休みは会えないかもしれないと、ノクチュアに頼んで手紙を渡してもらった。ハリーも手紙のやり取りはしてはいけないとダーズリーおじさんに言われているらしく、今年も苦労しそうだとお互いに労いの言葉を送ったのは最近のことだ。


 それでも、学校からたっぷりと出された宿題はしないといけない。毎晩クタクタになった疲れ切った体に鞭を打って、宿題を少しでも進めるのが、ミラの日課になっていた。

 さらにミラを疲れさせ、イライラさせている原因がもう一つあった。ミラがホグワーツに行っている間、孤児院に新しい子供が入って来ていた。名前はヒルダ・ウェブという女の子だった。ヒルダはとにかくミラの行動をあちこちで監視し、何かあればすぐにミス・メアリーに報告に行く嫌な女の子で、ハリーの従兄弟のダドリーを女にしたような見た目で、性格はスリザリンにいる意地悪な女子生徒を思い出させた。

 最悪なことにミス・メアリーとヒルダは性格が合うらしく、ミラをいじめる事に関して意気投合したようだった。
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