第45章 見つけ出した関係
ハリーとロンがそれぞれ二百点ずつグリフィンドールの点を増やしたことで、グリフィンドール生がどの寮よりも大きく騒いでいた。寮対抗優勝杯を二年連続で獲得したことで、更にお祭り騒ぎになった。
そんな中、マクゴナガル先生から、学校のお祝いとして期末試験が中止されたと、全生徒に告げた。みんな大喜びの中、ハーマイオニーだけがショックを受けていた。
さらに、ダンブルドア校長がロックハート先生は記憶を失い、来学期に学校に戻れないことを発表した。
「残念だ」と、ロンがジャム・ドーナツに手を伸ばしながら呟いた。
「せっかくアイツに馴染んできたところだったのに」
「よく言うよ」
ミラもチョコレートケーキに手を伸ばし、ニヤリと笑ってケーキにかぶりついた。
「ハリーの狼男の実演も見れなくなるのは寂しいね」
上衣を必要としなくなった季節がやってきた。もうすぐ夏学期かと思っていると、あっという間に過ぎて行った。
ノクチュアが少し前から、姿を表すようになった。エインのことはまだ少し警戒している様子だったが、持ってきたネズミをエインが食べてくれるので、処理に困らないなとミラは思った。でも、やっと顔を見せに来てくれたノクチュアに、ミラはここぞとばかりに甘やかした。
ロックハート先生はもう学校にいないのか、『闇の魔術に対する防衛術』の授業は休止になった。その自由時間を使って、ミラはもっと使える呪文はないかと、図書館で調べ回った。ミラが『継承者』だったという噂は、学校の全員が知っていた。ダンブルドア校長が事情を話してくれたとはいえ、未だに恐れて近付こうとしない生徒も少なくはいた。
双子のフレッドとジョージも、最初は『継承者』のことを弄っていいのか悩んでいたが、ミラは蛇のエインを持ち出して、「石になりたくなかったら、厨房からくすねてきたおやつをよこしな」と冗談を言ったことで、「ハハッ、もちろんであります!」と、わざと傅いてみせた。