第45章 見つけ出した関係
「恐かったでしょう。不死鳥に怪我を治してもらったとは言え、こんなボロボロになって…また無茶をしたのでしょう」
「----心配かけて、ごめんなさい、先生。でも、ジニーを助けたくて…」
汚れ以外にも、上衣のあちこちに、魔法で焼け焦げて穴が空いているのを、マクゴナガル先生はしっかりと気が付いていた。手負いのトロールに一人で立ち向かうようなミラが、ただ連れて行かれルような生徒でないことはわかっていた。
「ええ、わかってますとも----貴方が、とても友人想いで、そのためなら自分が犠牲になることも厭わないことも----私が去年言ったことは、忘れてないですね?」
ミラは頷くと、今までどうしていいかわからなかった手を、ぎこちなく、ゆっくりマクゴナガル先生の背中にそっと回した。とても暖かく、ハリー、ロン、ハーマイオニーとはまた違った感覚に、ミラは目を閉じた。マクゴナガル先生の抱き締める力がまた強くなると、ミラはここが一番平和な場所なんじゃないかと思った。
その様子を、ハリー、ロン、ダンブルドア校長はニッコリ笑って見守っていた。
一分もしない間に、二人は離れた。マクゴナガル先生は祝宴の用意があると言って、部屋を出て行ってしまった。ミラは振り返る前に、手で目を擦った。深呼吸をすると、ハリーの隣へぎこちなく戻った。
「さて」と、ダンブルドア校長が呟くと、ハリーとロンは不安げな顔をした。
「私の記憶では、君たちがこれ以上校則を破ったら、三人を退校処分にせざるを得ないと言ったことがある」
ミラはキュッと口を窄め、ロンは恐怖で口が開いた。
「どうやら、誰にでも誤ちはあるものじゃな。私も前言撤回じゃ」
と、言ったダンブルドアは、微笑んでいた。
「ミスター・ポッター、ミスター・ウィーズリー、君たち二人に『ホグワーツ特別功労賞』が授与される。それに----そうじゃな----ウム、一人につき二百点ずつグリフィンドールに与えよう」
ミラはハリーとロンの顔を交互に見て、ニッコリと笑って見せた。ロンの頬には、明るいピンク色に染まっており、空いた口もしっかり閉じていた。二人が退行処分にならずに済み、ミラの頬にも明るい色がさした。