• テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第45章 見つけ出した関係


 どうやらトムは『継承者』として操っていた時の記憶は消してくれたようだが、『日記』の全ての記憶は消していなかったようだ。出どころがわかったものの、これではジニーが結局悪いということになってしまう。

「おじさん、ジニーは悪くなんです!ただの悪戯『日記』だと思って、二人に言わなかった私が悪いんです----」
「ミス・ウィーズリーは、すぐに医務室に行きなさい」

 と、ダンブルドア校長が、キッパリとした口調でミラの話を中断させた。

「もっと年上の、もっと賢い魔法使いでさえ、ヴォルデモート卿に騙されてきたのじゃ。二人に処罰はなし。どちらも、過酷な試練じゃったろう。ミス・グローヴァーももう少しだけ聞きたいことがあるので、ここにいなさい」

 ダンブルドア校長に言われて、モリーとアーサーはジニーを連れて医務室へ向かった。ダンブルドア校長は、マダム・ポンフリーが少し前に石にされた生徒に、マンドレイク薬を飲ませたことも教えてくれると、ロンはハーマイオニーが大丈夫なことに安心の声を漏らした。

 そしてさらに、ダンブルドア校長は盛大に祝宴をしようと、マクゴナガル先生に伝えた。

「残りの生徒たちの処置は、お任せしてもよろしいですね?」
「もちろんじゃ」

 マクゴナガル先生は扉の方へ向かっていくと、ミラは慌ててマクゴナガル先生を呼び止めて、あとを追いかけた。もうすぐ部屋から出ていきそうだったマクゴナガル先生は、どうしたのかと振り返った。

「先生、私、わたし----」

 緊張で喉がカラカラになるのがわかった。マクゴナガル先生の目を見るのが怖くて、俯いてしまった。

「先生に酷いこと言って…八つ当たりして、ごめん、なさい----ずっと、謝りたかったんですけど----」

 マクゴナガル先生が、突然ミラを抱きしめた。優しくもあり、でも少し強く抱きしめられ、ミラは体を強張らせた。

「何を言うのかと思えば、そんなこと----貴方が無事に戻ってきてくれただけで、どれだけ嬉しかったか」

 少し声が掠れたようなマクゴナガル先生は、ギュッ、とミラを抱きしめる力が強くなった。
/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp