第49章 吸魂鬼(ディメンター)
「で、マルフォイ、一体何があったんだ?ディメンターが何をしたんだ?」
リー・ジョーダンがドラコに尋ねた。ドラコはしばらく沈黙していたが、ついに低い声で答えた。
「----さぁね。列車が止まったから前の方に行ったんだ。そしたら、あいつらが勝手に乗り込んできて……」
その時の様子を思い出したのか、ドラコの顔は普段も青白いのに、さらに白くなった気がした。が、ミラはハッと思い出した。さっきのディメンターは更に列車の奥へ進んでいったのではないだろうか?列車の一番後ろにはハリーたちがいる。ミラはズボンのポケットに入れていた杖を抜くと、ドラコたちを押しのけてコンパートメントの外へ飛び出していった。
フレッドかジョージ、どっちかわからないが、ミラの名前を呼んでいたが、ミラは構わず一番後ろのコンパートメントまで逆戻りした。なぜコンパートメントを出てしまったのか、後悔ばかりを思いながら、ミラは走り続けた。