第45章 見つけ出した関係
「掴まれって言ってるように見えるけど----でも、鳥が上まで引っ張り上げるには、君は重すぎるな」
「ロン…フォークスは、普通の鳥じゃないんだ」
と、ハリーが何かを思い出したかのように話し出した。
「みんな、手を繋いで。ジニー、ロンの手に捕まって。ロックハート先生は----」
「あなたのことだよ」
と、ロンが強い口調でロックハート先生に言った。
「私が手を繋ぐよ、ロン。ほら、先生、さっさと手を出して」
ミラはぶっきらぼうな口調で、ロックハート先生の手を掴んだ。
「ありがとう、お嬢さん。君はなんて優しいんだ」
「…調子狂うんで、少し黙っててくれません?」
あからさまに嫌な顔をしたミラに、ロックハート先生は何一つ気にしていない様子だった。ミラは空いているジニーのもう片方の手を繋いだ。ロンはハリーの上衣の背中のところに捕まると、ハリーは『剣』と『帽子』をベルトに挟んだ。
そして、ハリーは手を伸ばして、フォークスの不思議に熱い尾羽根をしっかりと掴んだ。
不思議なことに、全身が異常に軽くなったような気がした。次の瞬間、風を切って、四人はパイプの中を上に向かって飛んでいるのがわかった。
「すごい!凄い!まるで魔法のようだ!」
と、ロックハート先生の驚く声が聞こえたが、ミラはそんなことはどうでも良くなっていた。箒で空を飛ぶことも、車で空を飛んだことにも感動したが、箒でも車でもない、疑似的にだが飛んでいる感覚に、ミラは心が震えた。もっとこのまま飛んでいたいと思っていたのも束の間で、あっという間に五人は『嘆きのマートル』のトイレの湿った床に着地した。
ミラは振り返ると、パイプを覆い隠していた手洗い台が、元の位置に戻っていた。生きて帰ってこれたんだと、ミラは改めて実感した。
マートルがハリーが死んでないことにガッカリしていることに呆れながらも、フォークスが廊下を先導するように羽ばたいていたので、五人はその後に続いた。急足でフォークスを追いかけると、間もなくマクゴナガル先生の部屋の前についた。