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【HP】怪鳥の子

第45章 見つけ出した関係


 ロンの嬉しそうな声が聞こえ、ハリーとミラは微笑みあった。次にフォークスが先に隙間を潜った後、ミラとハリーが抜け出した。ロンはハリーが持っていた眩しい『剣』が気になるのか、まじまじと見つめてハリーに質問しようとしていた。

「ここを出てから説明するよ」

 と、ハリーはミラとジニーをチラッと見て言った。

「ロン、後にして。もうクタクタで早く休みたいんだ」

 と、ミラもハリーとロンの間に入って、会話を中断させた。『継承者』だった記憶がないにしても、ジニーがまだ怖がっている時に、色々話したくないと思ったからだ。ハリーがロンに、ロックハート先生のことを聞くと、ミラはロックハート先生が来ていることに驚いた。

 四人はトンネルからパイプまでの道を戻っていくと、パイプの出入り口のすぐ近くで、ギルデロイ・ロックハート先生が一人大人しく、鼻歌を歌いながらそこに座っていた。

「記憶を無くしてる」

 と、ロンが言った。

「僕の杖で『忘却術』を使って、逆噴射したんだ。僕たちじゃなくて、自分にかかっちゃったんだ。自分が誰なのか、今どこに居るのか、僕たちが誰なのか、わからなくなってる。ここに来て待ってるように言ったんだ。一人で放っておくと、怪我したりして危ないからね」
「ロンの杖の調子が悪いことなんて、どの先生でも知ってることなのに…」

 どんな状況でも、ロンの壊れた杖を使おうだなんて、ロックハート先生は余程運がなかったのか、それともロンに興味がなくて覚えていなかったのか----いずれにしても、いい君だとミラは思った。

「やぁ。なんだか変わったところだね。ここに住んでるの?」
「いや」

 ロンは眉を少し上げて、ハリーとミラに目配せした。完全にロックハート先生は使い物にならないなと、ミラは判断した。

「問題は、どうやってここを出るか、か…」

 ミラは上に伸びている長いパイプを見上げた。自力で登ることもできそうにない。箒もないここで、どうやって上に登るかと頭を悩ませていると、ハリーとミラの間を、フォークスがスッと後ろから飛んできた。二人の前で羽を羽ばたかせ、長い金色の尾羽根を振っていた。
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