第45章 見つけ出した関係
「フォークスのおかげでバジリスクにもトムにも勝てた。涙には癒しの効果があって、バジリスクの毒も怪我も直してくれたんだ。ミラの額の傷も直してくれたよ」
そういえばと、ミラは自分の額に手を当てた。カピカピに乾いた血がこび血ついていたが、痛みや傷がどこにもなかった。
「ありがとう、フォークス。君の勇姿を見られなくて残念だ」
ミラはフォークスにお礼を言うと、言葉を理解しているのか、真っ直ぐにミラを見て小さく頷いた。
「行こう、二人とも。早くここを出よう」
ハリーがそう言うと、フォークスが先に飛び立ち、入り口まで飛んでいってしまった。その後を追いかけるようについていくと、通ってきたトンネルに出た。背後で、石の扉が閉じる弱い音が聞こえた。ハリーから取られた杖を返してもらうと、三人で「ルーモス」と唱えてトンネルを歩いた。しばらく歩くと、遠くの方からゆっくりと岩がずれ動く音が聞こえた。
「ロン!」
と、ハリーが足を早めながら叫んだ。
「ロンも来てるの?」
ミラとジニーもその後に続いた。
「ジニーもミラも無事だ!ここにいるよ!」
ロンが、胸の詰まったような歓声をあげる声が聞こえた。三人は駆け足でロンの歓声がする方へ向かうと、崩れた岩の間に、ロンが作ったであろう、かなり大きな隙間の向こうから、待ちきれないようなロンの顔がのぞいていた。
「ジニー!」
。
と、言ったロンが隙間から腕を突き出して、最初にジニーを引っ張り出した。
「生きてたのか! 夢じゃないだろうな! いったい何があったんだ?」