第45章 見つけ出した関係
もし、ジニーに『継承者』の記憶がなければ、運悪く巻き込まれてしまった----ミラは、ハリーにこのことを誰にも言わないで欲しいとお願いした。
もし、ジニーに『継承者』の記憶があれば、仕方がないが、先生と話し合って、ミラが『継承者』だったと学校に広めてもらうしかない。きっとジニーはそんなこと受け入れようとしないが、ミラはこれから誰になんと言われようとも、気にしない自信があった。
ジニーの体を揺さぶると、ジニーは思ったより早く目覚めた。
「ミラ…?ハリー…?」
ジニーは当たりを見回すと、何故こんなところにいるのだろうと混乱している様子だった。話しを聞くと、最後に思い出せるのは呪文学の授業に向かっている時で、そこから記憶がないとのことだった。
「----ジニー、巻き込んでごめん----スリザリンの『継承者』は…私なんだ」
「え…?!」
「ミラは操られていて…この『日記』で…」
「これ…トムの『日記』よ…一体、何が…」
そこから、ハリーが何が起こったか話してくれた。トムが、ハリーにこと詳しくジニーに起こったことを話したことに驚いたミラだったが、ハリーを確実に倒せると思って話したのだろうと思った。流石に、トムに心を開きすぎたことに関しては、遺憾の意を唱えたいとミラは口に出そうになったが、なんとか堪えた。本当はほんの少しだけだったというのに、ジニーを信じ込ませるには仕方のないことだった。
「トム・リドルの正体は、ヴォルデモートだったんだ」
「どうりで邪悪な魔法を使うと思ったよ」
ミラは眉間に皺を寄せた。操られたことも、クルーシオという磔の呪文をはなってきたことや、ミラはますます自分の無力さを知った。落ち着いたら、もっと使える呪文を覚えようと、ミラは心に決めた。
上空を飛んでいたフォークスが、ハリーの肩に優雅に乗った。フォークスは、白鳥ほどの大きな真紅の鳥だった。孔雀の羽のように長い金色の尾羽が輝き、眩い金色の爪を持っていた。
ミラとジニーはビックリしてハリーとフォークスを見ていた。
「フォークスって言うんだ。ダンブルドアの鳥で、不死鳥なんだ」
「すごい…綺麗な鳥」
ミラは今まで見てきたどの生き物よりも美しいと感じた。