第43章 秘密の部屋へ
ロンとミラが話していると、ロンの隣りにジニーがやってきて座った。緊張した様子で、落ち着かない様子だった。
「どうした?」と、ロンがオートミールをお代わりしながらジニーに尋ねた。それでもジニーは黙り込んだままで、グリフィンドールのテーブルを端から端まで眺めると、一度ミラをチラリと見てから、顔を下に向けた。どこか怯えているような表情に、ミラとハリーは顔を見合わせた。
「わたし、言わなくちゃいけないことがあるの」
と、ジニーはミラとハリーの方を見ないようにしながら呟くように言った。
「なんなの?」
ジニーは、なんと言っていいのか言葉が見つからない様子で、不安げにミラを見た時、ミラはなんとなく、自分には聞かれたくないのかと思った。ジニーの様子はすごく気になったが、空気が読めないほど鈍感でもない。ジニーにだって、自分に聞かれたくないことの一つや二つあるだろうと思い、ミラは席を立った。
「ハリー、私ちょっとフレッドとジョージに用があるの思い出した。ちょっとだけ席外すよ」
「え…うん、わかった」
ハリーは不思議そうにミラを見たが、ミラはさっさと双子のいる席へ行ってしまった。
ミラもフレッドとジョージに用はなかったのだが、良い言い訳が咄嗟に思い浮かばず、咄嗟に双子の名前を出してしまった。怪しまれても困るので、ミラは適当な理由をつけて双子と話すことにした。フレッドとジョージはすぐに見つかった。一際騒がしいテーブルの中心に双子がいて、どう話しに入るべきかと考えていると、ジョージの方が先にミラに気が付いて声をかけてくれた。
「そこで何してるのさ、ミラ。朝食はもう食べたのかい?」
「まだ途中だったけど、ちょっと色々あって…」
「ミラもこっち来いよ!明日石から復活したグリフィンドール生たちの快気祝いをあげる計画を立ててるんだ!」
と、フレッドも声をかけてくれたおかげで、ミラはすんなりと会話に加わることができた。
「ハリーもロンもそうだけど、特に君は嬉しいだろ。ハーマイオニーが戻って来ること」
「だって、ハーマイオニーがいなくなってからの君って、ずっと笑ってなかったし、暗かったからさ」