第43章 秘密の部屋へ
三人でなんとか支え合いながら、あっという間に試験の三日前を迎えた。
朝食の席で、マクゴナガル先生がまた発表があると言った。
「いい知らせです」と言った途端、静かになるどころか、大広間は大騒ぎとなった。
「ダンブルドアが戻って来るんだ!」
「スリザリンの継承者を捕まえたんですね!」
「クィディッチの試合が再開されるんだ!」
と、最後のウッドの興奮した声に、それはないだろうとミラは思った。それよりも、ミラはマンドレイク薬の完成が気になっていた。ダンブルドア校長が戻るより、スリザリンの継承者を捕まえるよりも、ハーマイオニーに戻ってきて欲しかった。
やっと騒ぎが鎮まると、マクゴナガル先生は再び話し始めた。
「スプラウト先生のお話しでは、とうとうマンドレイクが収穫できるとのことです。今夜、石にされた人たちを蘇生させることができるでしょう。言うまでもありませんが、そのうちの誰かが、誰に、または何に襲われたのか話してくれるかもしれません。私は、この一年の恐ろしい出来事が犯人逮捕で終わりを迎えることができるのではないかと、期待しています」
歓喜が沸き起こった。
「やった!ミラ!ハーマイオニーが戻って来るんだ!」
「うん!うん!」
ミラの隣りに座っていたハリーが声を掛けると、ミラは嬉しさのあまり、頷くことしかできなかった。ジワリと、目に涙が浮かび、ミラは上衣で目を擦った。ハーマイオニーが帰ってくる!いっぱい話したいことがあるんだと、ミラは明日が待ちきれなかった。
ハリーもロンも、ここしばらく見せたことがなかったような、嬉しそうな顔を浮かべており、ミラも久しぶりに笑顔を見せた。
「それじゃ、マートルに聞きそびれたこともどうでもくなった!だって、ハーマイオニーが目を覚ましたら、多分、全部答えてくれる!でも、あと三日で試験が始まるって聞いたら、きっとあいつ気が狂うぜ。復讐しないんだからな。試験が終わるまで、今のままそっとしておいた方が親切なんじゃないかな」
「ロン、そりゃハーマイオニーは発狂するかもしれないけど、多分学校が特別処置で石にされた生徒は時間を与えられると思うよ。目が覚めたすぐにテスト勉強なんて、流石に先生もそこまで鬼畜じゃないと思う」