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【HP】怪鳥の子

第43章 秘密の部屋へ


「怪物が学校中を彷徨いてる上に、先生も学校中を見張ってる。そんなところに行こうだなんて思うわけないだろ。そんなに私たちがバカに見える?」

 と、ミラはネビルに尋ねると、ネビルは首を横に激しく振った。

「じゃ、朝食を食べに行こう」

 と、ミラはネビルに肩を回して部屋を出て行った。部屋に残された二人は、お互い顔を見合わせて、ミラたちの後に続いた。ロンはこっそりハリーに耳打ちした。

「ネビルのやつ、しばらくミラを見て怖がるぜ」
「おかげで詮索されなくて済む」

 強引ではあったものの、おかげでネビルに質問されずに済んだ。下手にハリーやロンが言い訳するより、堂々と大胆な態度で挑んだミラには関心しかないとハリーは思った。





 その日最初の授業は『変身術』で、ミラは未だに一番後ろの席を陣取って、静かに授業を受けていた。ハリーとロンに何度か「どうかした?」と聞かれたが、ミラは何でもないと言って、理由を話せないでいた。なんとなく言いたくなかった。

 二人は薄々ミラとマクゴナガル先生に何かあったのだと気が付いていた。ミラが一番好きな授業が『変身術』だということは知っていたし、ハーマイオニーがまだ石になっていない時は、いつも二人で一番前の席を取っていた。
 それが、ハーマイオニーがいなくなってからというもの、すっかり代わってしまった。きっとハーマイオニーが石になって、やる気を無くしてしまったのはないかと、二人はそう考えていた。

 今日の授業は、机の上にいる二羽の白兎をスリッパに変身させることだった。一通り、マクゴナガル先生の説明を聞いた後、一週間後の六月一日から期末試験が始まるとの発表があった。

「試験?こんな時に、まだ試験があるんですか?」

 と、シェーマス・フィネガンが叫んだ。バーンと大きな音が聞こえると、ネビルが杖を取り落として、自分の机の脚を一本消してしまう音だった。マクゴナガル先生は杖を一振りすると、消えてしまった机の脚を元通りにした後、シェーマスの方に向き直って顔を顰めた。
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